「そこに俺もついていってもいいか? 勿論、距離は取って邪魔はしないようにする」
「……」
「……翼を一人でいかせるのは正直、不安なんだ。 父親が何を言ってくるかが考え付かないからな」
そこが俺の一番の心配事だった
翼が一人で行く、と言った時に見送るべきなのかこっそりとついていくべきか
……こっそりとなると、まるでストーカーみたいだよな?
だったら素直について行くと言うべきだと考えたんだが、言ったら言ったで、翼は未だにポカンとしたままになっている
……困らせてしまった
「翼? 断ってもいいんだぞ? 無理に連れていけとは言わないから、な?」
返ってこないとなると駄目だって事になるのだろうかと考えていると
「……フフッ」
翼は俯いてクスクスと笑いだした
「翼?」
「あ、ごめんね。 星夜が慌てる所って何だか新鮮だったから可笑しくて……フフッ」
「そう、か。 …………悪い」
翼に変な所を見られて恥ずかしくなった



