「今知って悲しいと感じるよりも何も知らないで後々楽に生きるのは時によって、刃物よりも鋭く自身に突き刺さるものだ。 それが後になればなるほど、引き抜けなくなってしまう。

それなら、今の段階で抜け落ちた方が後から修復される。 ならば、早い方がいい」


二度と戻らないとは限らない、それは周りじゃなくて自分が決める事だ


俺は戻る、という例え微かな希望でもあればすがり付いていく


「……俺は、会いに行くべきだと思う。 場所がわかっているならば、行かなければ…後悔する」


それを聞いた翼は頭をあげた


「そう…だよね。 私だって、お母さんに会いたい。 考えても浮かばないなら行動に移すべきよね」


決意を意するかのように笑っているが、瞳は不安を残すかのように揺れていた


「……一ついい忘れていたが俺は翼一人で行かせようとは考えてもいないからな」


「……え?」


俺の一言に翼はポカンとしている