「――何だ?」
翼が俺の部屋に来たのは手紙についてだろう
大体、想像はできる
「……星夜は、私がお母さんの元に行くべきだと思ってる?」
「……」
「ごめんね、本当は自分で考えるべきなのに…答えがでないの。 だから聞きたいの、星夜の考えを」
翼は胸の前で両手を握り締めて俯いている
俺はどう答えるか悩んだ
正直、翼を行かせたくないとはじめは思っていた
だが、そうなれば翼がずっと抱いた疑問を解消できなくなる
それを抱えたままでこの先を生きていくとすると、答えは今解いた方がいいに決まっている
行って後悔すりよりも、何もわからないまま終わるのは、きっと答えを知りたい者にとっては残酷な結末だろう
「……俺は、何も知らないまま…このまま母親に会いに行くという選択をなくして、終わりにした方がいいと思っていた。
だが、あの父親が何のために来たのかを考えるとそれが正しいとは思えなくなった」
二度と後悔しないためにも…できる事はしていきたい