「……ふっ、ぅ」
――どうしよう…後一歩が進めない
目尻に浮かんだ涙を押さえるようにギュッと目を閉じる
フワッ
「!」
途端に引き寄せられ、私は星夜に抱き締められた
シャンプーの匂いが鼻を通り、息が止まった
「……ゆっくりでいい」
「っ……ぅ、ん」
私を落ち着かせようと背中をトントンと叩いてくれた
まるで大丈夫、大丈夫だと言ってくれているようだ
――そうだ、私はもう……
不安な時に励ましてくれる、嬉しい時は一緒に喜んでくれる
毎日に些細な幸福を恵んでくれる友達が、仲間が
そして、目の前に最愛の人がいる
「……もう、大丈夫よ。 ありがとう。
それでね、星夜に聞きたい事があるの」
――一人じゃないからきっと、乗り越えられる