「我慢ばかりしていると、いつか爆発してしまいます。 それを防ぐためにも言いたい事は言って欲しいです」


私の手を取り、緋麻里は言う


「悲しいじゃないですか。 胸中に押し込めたままでこれからを過ごすなんて、言わなければ通じない事もあるんですよ」


「……緋麻里」


キュッと強さが籠る手を見た


緋麻里ははじめてあった時から私の心配をしてくれた


友達になる前からその後でも、緋麻里は変わらずに優しい


「――私もたまにはワガママ、言ってみようかしら」


「!」


「そうね。 もし、二人でお出かけしたいとか言ったら、緋麻里は付き合ってくれる?」


「はいっ! 翼ちゃんの行きたい所ならどこでも行きますよ!」


「ありがとう。 けど、お出かけの前にしなきゃならない事があるから、今度、詳しく話し合わない?」


「あ、そうでしたね。 わかりました」


緋麻里のおかげで心にゆとりが持てたかもしれない