「……ん」


「立ちながら眠るとか器用ね」


頭を上げて薄目の状態で私の方に顔を向けた星夜に声をかけた


「あ……悪い」


そう言って頭を押さえてフーッと息を吐いた


「……昨日は眠れなかったの?」


眠そうなのかいつもの星夜にしてはぼんやりとしている


「いや、いつも通りなんだけどな……」


「?」


言葉を濁した様子に疑問に思った時に星夜の前列にいた人が突然後ろに崩れてきた


「!」


「っ! 危ねっ!」


とっさに星夜が肩を押さえてその人は倒れずに済んだが、星夜は眉をひそめ前に押し出す


「……んあ?」


「…………気を付けろよ。 俺じゃなかったら頭から行ってたぞ」


「お、おぉ、すまんな。 以後気ぃつけるで」


片手を上げて謝ったのは富田颯一、白神の幹部


星夜だけじゃなく颯一も寝ていたのね


内心あきれながら、正面に顔を向けると私の前にいる女子が倒れてくる


勢いはなかったため胸元に女子の頭が触れた