星夜の家に到着し、玄関を通った
「星夜様、翼様お帰りなさいませ」
迎えてくれたのは初老の執事
「今の状況は?」
「旦那様と奥様が迎えています。 ですが、長い沈黙が続いています」
「そう、か」
玄関から見える扉は外から来たお客さんを迎えるための部屋
そこにお父さんはいる
「翼、入るぞ」
「……えぇ」
星夜と肩を並べて扉の前に立ち、
コンコンッ
「失礼します」
「……」
そのまま扉を開ける
部屋の中はいくつもの棚の上に細かい装飾が施された置物が置かれ、中央辺りに二つの長いソファーの間に硝子制のテーブルが置かれている
片方のソファーに朝陽さんと夜空さんが、もう片方にお父さんが座っていた
「……星夜」
「高岸翼さんをお連れして来ました」
目を見開いた朝陽さんに星夜は淡々とした口調で言った
お父さんは私を見て嬉しそうな顔を浮かべたがすぐに顔を歪ませ俯いた
「い、今から座るものを用意させるわ」
「このままでいいです。 ……翼」
「……」
星夜に促されるようにお父さんに近づいた



