「……ねぇ、会うか会わないかの前にお父さんは私に何の用なの?」
ふと、疑問に浮かんだのが来た理由だった
「それはわからない。 父さんが言うには直接渡したい物があると向こうは言っていたそうだ」
「……渡したい物?」
それって何なの?
あの家に置いてきた残りの荷物?
それとも……
「…………兎に角、私がお父さんに会えばいいのよね」
これ以上考えるのはやめた
早い話、私がお父さんの持ってきた"何か"を受け取ればいいだけの事だ
それが傷付く物だとしても、これ以上は星夜の両親に迷惑をかけるわけにはいかない
「私、お父さんに会うわ。 それで、渡したい物を受けとる」
「……わかった。 だが、無理だと思ったらすぐに自分の部屋に行け。 後は何とかするから」
「うん」
星夜は心配そうに私を見ている
私のする事は無理をさせない程度にさせてくれる
それが星夜の優しい所だ



