「……悪い、俺は今から家に戻る。 篠原さんは塁達を倉庫に送っていってくれ」
「承知しました」
「後、翼も家に戻るから」
「……わかった。 今日は用事で来れない事を皆に伝えるから」
「頼む」
事情がわからないまま私は篠原さんと塁達を乗せた車を見送った
「歩きながら話す」
「……」
そう言って家に向かっているのだけれど星夜は考え込むように口を閉ざしていた
暫く口を閉ざしていたけれど意を決したかのように開いた
「……翼に会いたがっている人がいるんだ」
「え?」
私に会いたい人?
誰って聞いたら思い当たる人は一人しかいない
私の心を抉った血の繋がりのある家族
「…………その人は私が考えている人かしら?」
「……翼が考えている人物だ。 その人は翼に会うまで帰らないと言っている」
――"お父さん"
何で、何で今になって会いたいの?
顔を見たくないと言ったのは向こうなのに
「……翼は会いたいか?」
「……」
星夜の質問に言葉が出なかった



