「……そんな事言ってると置いてくぞ。 塁と緋麻里、今度からほっといていいからな」


「了解」


「はーい」


「せ、星夜、そんな事言わんといてや」


「次から気を付けるからー!」


「……ったく、行くぞ」


学校から倉庫へ向かう車の元へ移動する


その時にふと、クラスメートを横目で見た


私達をチラチラ見てはコソコソと話す生徒がほとんど


何だか気分はいいものではなかった


「翼ちゃん、どうしました?」


「……何でもないわ」


緋麻里に呼び掛けられて教室を後にした


そのまま校舎を出て裏路地に停められている車へ向かう


だが、この日は違った


「星夜様!」


車の前で待っていた篠原さんが星夜に気付き駆けつけてきた


あまりの尋常じゃない様子に疑問を抱くのは無理もない


「……どうした?」


「話は朝陽様からです。 星夜様に繋がらないという事で自分に連絡が来ました」


「父さんから? 一体、何の用で…………は?」


バックからスマホを取りだし、通話履歴を開いた所で固まる星夜


「う、うわー…ほとんど朝陽さんからやないか」


「しかも、時間の間隔が段々短くなってますよ」


「これ程までに電話してくるなんてよほどじゃないとあり得ないよ」


「最後は留守電になってるね。 聞いたら?」


「……」


星夜は私達から離れてスマホを耳に当てる


留守電の内容を聞いてから電話をかけ、短い会話をし切った