気がつけば、家に到着していた。
玄関入口の前には漫画みたいな噴水が1つある。


小さい頃はそれが普通だと思っていた。


でも、中学生になってからは普通でないことがわかった。



『楓加ちゃんの家に噴水ある!なんでなんで!お嬢様じゃん!』



そんなことをふと言われたことがある。
花菜の家もあたしと似た感じだったから。



「おかえり、ふうちゃんとみっちゃん。」


「ただいま、唯ちゃん。」


「唯お兄ちゃん、ただいまぁ〜!」



みっちゃんはランドセルを背負ったままリビングに向かって行った。



「はる君はまだ?僕お腹空いちゃった。」


「多分早くても6時過ぎかな?あ、冷蔵庫にケーキ入ってるでしょ?」



確か、昨日蒼ちゃんが貰ってきてた。



「さっき冷蔵庫みたけど、多分 るい君に全部食べられた。」