遙side




「昔話をしてたら、もうこんな時間か。」



そう言って奏人は立ち上がりコーヒーを一気に飲み干した。



「そういえば、亮平や恵佑に最近会ってないな。奏人はあいつ達と連絡取り合ってんの?」


「まさか、俺がそんなことするわけないでしょ。騒がしい2人と連絡なんてしたら疲労が溜まるだけだよ。」



確かに、その通りかもしれない。

あの2人と話をするだけで、ざっと1週間分の疲れが出る。



「…そうだな。」


「あの時も今も遙は俺に心配ばっかりかけさせやがって。」



まー、確かに。



「…悪かったって。」


「じゃあ、食堂のトロピカルフルーツサンドで許してやる。」



こいつ、これが狙いだな?

トロピカルフルーツサンドはこの学校名物の1日10個しか売られないパンだ。



「そのうちな。」


「さて、今後の遙に期待だな。」


「意味わかんねーこと言うな。今後ってどういう意味だよ。」