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「…おーい。今日ずっとボーッとしている遙君?今日、俺達部活ないからこの後カラオケ行くけど来る?ついでに奏人もいるよ。」



いつの間にか放課後。
時間経つのってはやすぎんだろ。


俺、昼飯も食べてないかも。



「今日は、気分乗らねーから帰るわ。
亮平悪ぃな、また今度にでも誘ってくれ。」


「了解。そういえば、さっきから誰かから電話きてるけど出なくていいの?」



亮平が机の上にある俺のスマホを指差した。
やっば、俺、全然気づいてなかった。



「…んじゃ、帰るわ!」



そう言って俺は廊下に出てスマホを開いた
ディスプレイには “椎名 京汰” の文字。



「もしもし。」


『遙、急いで帰って来てください。』



それだけ言うと京は電話を切った。
いや、何だか急じゃね?


とりあえず、走って帰るか。


と、思い校門へ足を向けた。



てか、校門周辺に人集まりすぎ。
今日って何かあったっけ?


そう考えながら、人が集まっている中心へ顔を覗かせた。



って、何で…、ここに。



「 ─── 自ら来てくれて助かったよ遙。」