「って、奏人君のお父さんって、この高校の理事長先生だったの?!」
「なんだ、楓加知らなかったのか?それに奏人だってここで…、」
はるちゃんがそう言いかけた瞬間、空き教室のドアが ガラッと開いた。
「なに、ここで楓加ちゃんとイチャイチャしてるの?あと、20秒で本鈴だけど?」
「邪魔するなよ、奏人。」
「あのな?昔から遙のシスコンぶりは知ってるけど一応場所を考えろ。」
奏人君だ……、
久しぶりに見た気がする。
でも、確か奏人君は勉強嫌いだったよね?
昔、奏人君の教科書を見ていた時に23点とかかれた数学のテストを見たことがある。
チャイムが鳴り響いた。
「ったく、楓加行くぞ。」

