……そして、私は息が止まりました。
彼の瞳の色が。
瞳が、紫色。
紫色の瞳は、それすなわち王族。
王室にいる彼らしか持たない色でした。
私はとりあえず彼から視線を外し、頭を下げました。
そんな私の視線を、顎を持ち上げることで上げさせて、彼はとんでもないことをおっしゃいました。
「僕と来てくれるかな?」
あの時の私と言えば、恐れが通り越してもう何も考えられませんでした。
王室の方についてこいと言われるとは、やましいことが無くても怖いのです。
まして、私は危なかったとはいえ彼を突き飛ばしたのですから、恐れもひとしおです。
まぁ、言われたのは別の意味で信じられないものでしたけどね。



