びよんど・ざ・たいむ



「冗談だって。それに、今のボクは次元の扉を司る天空神ユピテルじゃなくて、神木星那(かみきせな)って名前の女の子だよ。キミだって、人間を転生させる蒼き稲妻の雷獣フルグルじゃなく、神戸鳴海(かんべなるみ)という名の女の子だ」


「名前までしっかり考えてあったんですか」


「もちろん。それぞれの生い立ちもちゃんと考えてあるよ。聞きたい?」


「遠慮しておきます。今後のことも、貴女が人間の姿を借りて、二人が教師を勤める学校にほど近い看護学校の学生寮に住むことにしたという事実だけで、大方想像がつきます」


「さすが我が従者だね♪」


「パートナーじゃなかったんですか?」


「人間界(ここ)じゃ、従者と書いてパートナーと読むんだよ。知らなかった?」


「初耳です」


そしてこの次の日から。


主がポルタを羽丘土門という人間に転生させた本当の理由が目に見えて明らかになり、それは非常にラブコメな日常の始まりでもあるのだが。


それはまた、別の記録である。