「……呆れた。あなた、教師になったんですか? 私と再会するために?」
「はいっ! これからよろしくお願いします、火村先輩っ!」
向こうから来るのを待っていてはダメならば、こちらから出向けばいいのだ。
自分でも、我ながらどうしようもなく短絡的な発想だとは思ったけれど。それしか思いつかなかった。
もちろん、今やただの人間である僕に、晴れて教師になって初の赴任先を決められるはずも無く。
それなのにまさか、そこが彼女の職場だったのは。
それこそ、〝あのひと〟の気まぐれに違いない。
彼女が受け持つクラスの副担任として働けることが決まり、彼女との初顔合わせの日。
彼女は、まさに喜色満面で元気良く挨拶した僕を見て、しばし呆然としていた。



