教育実習初日の放課後に廊下で彼女とすれ違った時の出来事は、あなたも知っての通りだ。




彼女のスマホのストラップに〝転生の門〟が付いていたのがふと目に入って、問いかけずにはいられなかった。




自分がポルタの転生体であることを示すために、ポルタとウィアのことについて彼女が知っている限りのことを一方的に打ち明けた。




だけど「あの、ごめんなさい。たぶん人違いですよ」とだけ言われて、その場をあとにされてしまった。




意味不明のことを言われて、すっかり警戒されてしまったのか。




結局、教育実習中には、彼女に振り向いてもらうことすら出来なかった。




蒼い稲妻や〝転生の門〟のこともある程度、彼女が知っている限りのことを打ち明けたのだが。




その時の彼女の表情は「何わけのわからないこと言ってるの、この子?」という感じではなかった。




むしろ、本当に僕がポルタのような転生体かどうか判断に迷っている様子だった。




前世の記憶が呼び覚まされているとみて間違いないだろう。




人違いだったとは思えない。




これが、運命のいたずらというやつか。
それともただ単に〝あのひと〟の気まぐれのせいか。




もしかしたら、この困難が罰なのだろうか。




現状をそんな風に考えた僕は、一計を案じた。