「……あ、ありがとうござ――」


「ただし。キミが再び〝彼の地〟へ行くのは、彼女が転生した後だ。その後、姓に『丘』、名に『門』という意味を持つ人間が〝彼の地〟に生を受ける。それまで、檻の中で待っていてもらう。いいね?」


「わかりました」




その時は、彼女が転生した直後にすぐ転生出来るものと思い込んでいた。




後になって、具体的な時期を言われていないことに気付いたけれど、時すでに遅し。




まさか五年以上も間を空けられるとは、夢にも思っていなかった。




まあ、気まぐれな〝あのひと〟らしいと言えば、その通りなのだけれど。