「傷は…うん、そこまで深くなさそう。 画鋲の針も短かったし、よかった。」 なんで初めて会った人のことなのに、こんなに真剣に、心底「心配した」って顔できるんだろう。 最近、こういう優しさに触れていなかったせいか、しみじみとありがたさを感じてしまった。 「ちょーっとしみるけど我慢してね…」 消毒液を含ませた布を当てられた。じんじんする痛みが何回も襲ってきたけど、唇を噛んでじっと耐えた。