あたしが振り回してるんじゃなくて…


コイツがあたしを振り回してない?



ってゆ~か、家?


あたしん家?



「ねぇ、あたしん家こっちじゃ無いんだけど…」


思いっ切り反対方向なんですけど…


家も知らないのに勝手に歩き出して…



「ハハッ…あたしん家知らないのに…ハハハッ…おかしい」



思わず彼の取った行動を思い出してみると、

完璧そうに見えて結構、抜けてる所もあるんだな。
なんて思って笑ってしまった。



「……笑うなよ」



少し恥かしそうに俯いてそう呟く彼に思わず、
可愛いなんて思ってしまっていた。



反対方向の道から方向転換して歩き始めた彼。



腕は掴まれたままだったけど、
一瞬にして落ち着くモノになっていて…



腕から伝わる彼の体温がとてつもなく優しく思えた。



たまにはこうゆう心の刺激もいいのかな?



なんて思いながら後ろ姿の彼を追うように歩いた。