あたしの返事を聞くと武人の身体が離れて…
目と目が合う。


涙でグチャグチャになっているあたしの顔見た武人は…
優しく微笑んでくれて、
あたしも同じ様に笑い返す。



それはまるで…時間が逆上ったみたいな感覚で、
武人と笑顔を向け合った。



武人…


ありがと。

あたしの気持ち全部知っていて…


こんなにも想っていてくれたなんて…



でもね、あたし…


やっぱり今は麻生 健永の温もりが欲しい。


あの冷たい手を握っていたいよ。



あの笑顔をあたしにすべて向けさせたいよ。



どうして…

どうして…



あたしは麻生 健永じゃなきゃ駄目なの?



どうしてこんなにも彼があたしの心の中に沢山居るの?



どうして…


好きになんてなってしまったのよ。



あたしはその事で…後悔が一杯だよ。



再会しなければよかった。

温もりを感じ無ければよかった。


あの笑顔を見なければよかった。


恋なんて始めなきゃよかった。