内心がっくりとうなだれ、再び視線を窓に移した。


「それで、先ずは何処へ行けば良いのでしょう?」


思ってもいなかった柿沢店長の言葉に、怒りと戸惑いが混ざり合った。


でも、店長は店長なんだから、怒ってはダメだと自分に強く言い聞かせる。


「何処に行くつもりだったんですか?」


「すいません、そう言えば蘭さんは未だご存じなかったんですね。」


視線は前の車を見つめながら、柿沢店長はスーツの内ポケットからサングラスを取り出してかけた。


余りに色の濃いサングラスのレンズに、瞳が夜だと勘違いしてしまわないかと思う。