氷の華

私としても、折角来店して下さったのだから、満足して頂けるように接客したいとは思ってる。


だけど、指名客が二人になると、単純計算でも一人に付ける時間は半分になる事は事実。


でも、私の身体が一つしかないのも事実なんだ。


「ごめんなさい、ちょっとだけだから。」


お願いを続ける私に、宮口さんは露骨に嫌そうな表情を見せる。


「ね?」


どちらが上も下もなく、私にとっては大事なお客様。


でもこの場合は、先に来店されていた宮口さんに納得して貰うしかない。