相次ぐ莉沙からの言葉は心中の氷壁で止め、無視してリビングへと戻る。


「突然来たから怒ってるの?」


ソファに腰を下ろし、熱を持つ液体をグラスへと注ぎ込む。


「何時になく多弁だな。」


ロックグラスを軽く揺らしながら回し、氷に冷やされた液体を飲み下した。


目に映るは、ダウンライトの柔い光に照らされた、コンクリート打ちっ放しの壁。


多弁な莉沙に、直感的に何かあったと悟っていた。


「冷たいのは何時もの事だけど、今日は雰囲気が少し違うわね?」