氷の華

黒いロングコートから、煌めきを放つ白のロングドレスに着替えた女性は、流亜さんと笑みを交わしながらロッカールームから出てきた。


大人な雰囲気を纏っていたかと思えば、今は爛漫な笑みを覗かせてる。


二人が並んでいると、美人姉妹のように見えた。


先ほど一緒に来た男性客のテーブルに向かった二人を、気付けば目で追っていた。


「蘭さん、ちょっと乃亜さんのテーブルに行って貰えますか?」


近付いてくる柿沢店長の姿にも気付いていなかったのかと、内心では苦笑いしながら振り返った。


「はい、分かりました。」


「十二番テーブルです。」