氷の華

確かに接客業だからストレスは溜まるのだろうけど、私はお客さんの悪口を言って、それを発散させようとは思わない。


私が未だ嫌なお客さんに接した事が無いから、そう思うのかもしれない。


それでも、坂本さんの悪口を言っている時の流亜さんの表情を思い出すと、ああいう表情はしたくないと思った。


お客様を蔑んでいるような、冷めた視線。


そこに可愛らしい流亜さんの姿は無くて、卑しい表情をしている流亜さんが居た。


私にお父さんが居なかったからか、年輩のお客さんの話しは新鮮だと感じてる。


ママのお店が上手く行っていた頃の、あの楽しい雰囲気を思い出す。


だから坂本さんの話しも、私には楽しく感じれたんだと思う。