氷の華

悪口を共有して、仲を深めていこうとする子。


私の周りにも、流亜さんのようなタイプの子が居なかった訳じゃない。


ただ、なんとなく苦手な感じがして、一緒に居るのが得意ではなかった。


「あー、蘭ちゃんに話して少しスッキリしたわ。じゃあ私は他のテーブルに行ってくるわね。」


テーブルに居た時のような、甘え上手な表情を作った流亜さんは、そう言うとトイレを出て行った。


甘え上手な可愛らしい流亜さんと、冷めた目付きでお客さんの悪口を言う流亜さん。


どちらが本当の流亜さんなのだろう…。


もしかしたら、どちらも流亜さんかもしれないし、どちらも違うかもしれない。


そう思うとなんだか怖くなって、私は身震いする身体を抱き締めていた。