「いらっしゃいませ、氷藤社長。座る前で上からになってしまって申し訳ありません。」


細く長い指から視線を伝っていくと、出来るだけ身を屈めようとした為に、黒のドレスから撓わな胸が零れ落ちてしまいそうになっていた。


「指名したつもりはないが?」


「ご心配なく。指名を取れるとも思っていませんから。お隣、宜しいでしょうか?」


パールカラーの艶やかな髪と、艶めく動きや体つきとは対照的に、悪戯な笑顔を見せる女。


莉沙と肩を並べるまでとはいかなくとも、この中でこれ以上のキャストは居ないだろう。


隣に座ったこのキャストが、[whiteーcastle]のナンバー1である事は間違いない。