氷の華

何かを考えているかのように、柿沢店長は眉間に皺を寄せている。


理由も無くにこんな事をされてたら、借金がどうのこうのは関係無しに、私は氷藤社長に詰め寄るだろう。


「私は蘭さんを此処にお連れするように言われていただけなので、きちんとした理由は分かりませんが、社長のお考えを推測して一言で言うなら、管理でしょうね。」


「管理?」


ダメだ、柿沢店長が何を言いたいのか、私には全然分からない。


それに、氷藤社長から理由を説明されてないと、自分の言葉での説明を避けようとする、柿沢店長の態度にも腹が立った。


「ええ、もしくは監視でしょうか。まぁ監視と言っても、隠しカメラが有る訳じゃありませんよ。このマンションの近くに、ホールスタッフと私が共同で暮らしている、寮代わりのマンションが有るんです。」


「柿沢店長も、ですか?」