一卵性の双子である琉衣と琉羽は男子と女子。
普通ならば有り得ない。
なんらかの遺伝子変異があったのか、
五体満足で、美しく瓜二つの容姿で生まれた2人。
そして、仲の良い2人。
母も父も異国の血を引いているため、
その容姿は誰もが羨み、妬み、嫉むような
輝きに満ちていた。
色素の薄い金に近い茶色のさらさらな髪。
真っ白な肌。大きな深い青の瞳、それを縁取る長いまつげ。
小さな桜色の唇
あるべき場所に収まったパーツ。
小さな顔、華奢な体。
Venus
2人は美の女神様に愛されたのだと、誰かが言った。
だが、それゆえ2人は運命の女神様に嫌われたのだと
その誰かは言った。
偶然にもその誰かの言葉は正しかった。
偶然というには出来すぎた、あまりに残酷な未来。
運命としか言えないような
かけがえのない仲間との出会い。
運命は平等に幸せも不幸せも与えられている。
ここから先は...
どんな運命が待っているのだろうか。