「おはよ...」


「もー。みんなはもう朝ごはん終わってるからね」


「はぁい...」


父のそばには大きなトランクが置いてある。



「まったく琉羽ったらぁ...ホントに大丈夫かしら...?

やっぱり...やめておく?」



エプロンを外しながら心配げに母が言う。



「もー。お母さん心配しすぎだよ。


もう決めたでしょ。お父さんとお母さん2人で旅行行くって。


それにおばあちゃんに会いに行くんでしょ?」



すかさず琉衣が呆れたように言う。



「でも...」



「琉衣の言う通りだよー


それに飛行機のチケットももうとっちゃったでしょ?


それに僕達だってもう9歳だよ?小学校3年生なんだから


もう、低学年じゃないもん」



1人遅い朝ごはんをもそもそと食べだした琉羽も


琉衣と口を揃える。



「琉羽が1番心配なの」



のほほんとした琉羽の顔に、母は脱力する。