「そう、だよね??そうだよね!


僕らは僕らだけでいいよね?!」



「え、あ、うん……?」



琉衣は、笑った。






笑って、笑って、笑って、







笑った。









「じゃあ、琉羽は僕だけのものだね」









琉衣の白魚のような指は、


ゆっくり電話の接続ボタンを押した。















雨音はさっきの何倍も強くなって、


窓を強く叩きつけた。


風は荒れ狂った。雷が轟いた。








荒れ狂う空を見て、琉衣は笑ったかと思うと、


ベランダへ駆け出し、天を仰いだ。



「……琉衣?……琉衣何してるの?


雨すごい降ってるよ!ねぇ、風邪ひいちゃうよ!?」


「……あは、


あははは、あはははははははは、


あははははははははははははははははははははははははは」



「る、……琉衣……」


閃光が走るたび、琉衣の髪は金に輝く。


荒れ狂う嵐の海のように、風でその髪はうねった。


琉衣の見開かれた目は、血走っていて、


その頬に、いく筋もの雨が伝った。




「あは……ははははは………はは































………ばいばい」





2つの青い炎はゆらりゆらりと静かに揺れた。