...ざああああああああ
昼間のさすが夏とばかりの快晴だったのが嘘のように
今ではバケツをひっくり返したような
大雨が降っていた。
時には遠くで雷の低い唸り声が聞こえる。
そういえば台風が2個近づいてるとテレビで見たっけなと
説明書片手にふと琉羽は窓を振り返った。
...ざぁぁあああああ
再びテレビに向き直るとリモコンと説明書に
勝ち目のない睨めっこを申し込む。
「...あれ?このコードなんだ?あ、テレビのか...
えっと......をテレビの...に...げて...を長...し」
NiiUの設定はいつも父の役目だったため
分からないながらに説明書を引っ張り出したが
小3の琉羽には読めない漢字があまりにも多い。
軒並み外れて頭の良かった琉衣ならあるいは...だが。
「琉衣なら読めるかな...
...な、なんて、別に仲直りしてあげる気なんて無いけど...」

