となりを埋めて。

店を出たら駄菓子屋さんの前のコウちゃんたちの集団には何人か人が増えていた。


その中にマナミもいた。


マナミがこっちを見た。



“ブス”



被害妄想にもほどがある。


でも、マナミの唇はそう動いた気がした。


彩香は気づいてない、店を出た瞬間、チラリと一瞬見ただけだ。


彩香と二人で、駄菓子屋さんから離れて家に向かって歩く。


コウちゃんたちの声が遠ざかる。

「あの子たちだね。アリサ呼び出してたの。」


「うん。」


「金井くんとも仲いいかなー。」


「そうなんじゃない。」



「アリサ、やっぱり元気ないじゃん。何かあったんでしょう?」


違う、





何もない。




何もないからっ