となりを埋めて。

「私、光祐にキスもされたんだから。」


去り際にマナミが私の耳元で囁いた。



キス…



キスくらいなら知ってる。お母さんが見てるドラマとかに出てくる。

唇と唇を合わせるアレ。




そっか…この、マナミって子はコウちゃんと…キス……したんだぁ。



私はヒャクヨウバコの横にへたり込んだ。



チャイムが鳴って大好きな国語の授業が始まっても、ずっと…マナミの言葉が頭から離れなかった。