義理じゃないチョコ、あげます。





真っ赤になった私に構わず、ヒロは言葉を続ける。








「…俺が。


本気で可愛いと思うのも。


ずっとそばにいてほしいと思うのも。


喧嘩してたって、楽しいと思うのも。


…こんな、ブッサイクな泣き顔すら、愛しいと思うのも」








サラッと言われた暴言にさえ、文句を言う気も起きなくて。


見たこともないくらい、優しい瞳に引き込まれて。












「お前しか、いないよ」












それを聞いたら、もう止まらない。




涙腺は崩壊し、大きな嗚咽が漏れて。








「うううう、…うわああああん」








もう一度、ヒロに思い切り抱きついた。




「おわっ」




ヒロはよろけながらも、しっかり私を支えてくれる。




そして。


私に負けないくらい、私を強く抱きしめて。












「…俺の彼女に、なってくれますか…?」












…そんなの。












「…っ…、はいっ……!」












こう言うしか、ないじゃない。
















…ああ。


私は、ここにいていいんだ。




誰よりも、ヒロの近くに…











安心した私は、しばらくの間涙を流し続けていたけれど。


ヒロは私が泣き止むまで、ずっと頭を撫でていてくれた。