義理じゃないチョコ、あげます。










やっと、言えた。








自分の心臓が、暴れる音を聴きながら。


目をそらさずに、じっと見つめて。









長い長い、沈黙。


私にとっては、一生終わらないんじゃと思うくらいの。




しばらく呆然としていたヒロは、ふと我に返ったように、一度目を逸らして、また私に向き直る。




こんなに緊張したのは、いつぶりかな。


そう、他人事のように思ったとき。




ヒロの口が、開かれた。








「…どうしよ、俺」


「…へ?」








発せられた言葉は、喜びの言葉でも、謝罪の言葉でもない。


なんだか、拍子抜けだ。




「え、ヒロ?」




私がさらに見つめ返すと、ヒロは少し、泣きそうな顔。




…ちょっと、よくわからない。








混乱する私に、何か深刻そうなヒロは…












ぐいっ




「えっ」












気づいたら、私の体は。




その大きな腕に包まれていた。












「…嬉しすぎて、どうしよ…!」











耳元で聞こえた、その声は。




私にもわかるくらい、震えていた。