今度は日本を救います

「えー、ある班がバカみたいな点数を叩き出してきたのでみなさんそれに負けないよう頑張りましょう」



10分休憩した後、芝山さんがそう呼びかけた。


褒められているのかバカにされているのかよく分からないが、その言葉でみんながやる気を出してしまった。


なのでこっちも負けないよう全てに全力を尽くした。


結果。



「あ゛ぁー……死ぬ……」



「楓すごい男らしい声……」



「そういう花奈はおばあちゃんみたいね」



「なんで花音は1人だけ元気なの……」



夕食と入浴を済ませ、部屋に戻った私達は重たい体に鞭を打ってなんとか布団を敷き、ダーイブ。


至福のひととき……


もう動けない……


布団でゴロゴロする私と花奈に対し、平然とした顔で本を読み出す花音。



「いや、もう就寝時間になるんだけど。強制的に消灯されるんだけど」



「これくらい10分で読み終わるわ」



いや、確かに薄い文庫本だし、あまり時間はかからないだろうけど、それでも私なら1時間がかかる。


なにふざけたことを言っているんだろう、そう思い花音を見るとそこには恐ろしい光景が。


本当に読んでる?って速さの目の動き、5秒に1回捲られるページ。


こりゃ10分もかからず終わるわ。


消灯時間まであと10分。


それに対し、花音の本は半分をきってる。


この域に達するまでどれだけの本を読んできたのかなぁ……