今度は日本を救います

「楓ちゃん!」



ようやくいつも通りになった佐伯さんが、怒った顔をして近付いてくる。



「な、何ですか?」



「怪我は?」



「比較的低い木を選びましたし、受け身も取ったので大丈夫です」



危うく綺麗に着地しかけて焦ったのは内緒だ。


とりあえず怪我をしていないということで、多少は怒りが収まったようだ。


完全には収まってないけど。



「絶対に次はしないでよ!?」



「はーい」



「本当に分かった!?」



「大丈夫ですよー。過保護ですね」



「楓ちゃんは危なっかしいからね」



全く……お兄ちゃんじゃないんだから。


でも騙して悪いことをしてしまった。


ということでお詫びを。


“ここに来た時、佐伯さんが座っていた石の裏に即行で作ったクッキーがあるので食べてくださいね”


“ありがたく受け取っておくよ”


意外にも甘い物好きの佐伯さんに、創造、その中でも料理を作る魔法で作っておいたクッキーを贈呈。


許してもらえたし、無事ポイントが記されているカードも貰ったことだし、残り40分くらいあるし、次行こう。



「ではまた!」



「うん、またね」



私達は次の魔法使いの元に向かった。