生徒達や教師からは何を渡したのかも見えていないし、何を言ったかも分かっていないので不思議そうな顔をしている。


芝山さんは最後に寂しそうな笑顔で言った。



「僕達じゃ佐伯を幸せに出来なかったから、任せたよ」



そんな事を言われたら受け取るしかないじゃん……



「幸せそうな歩を今度見せてあげますからね」



「ははっ、頼んだよ」



再びマイクの電源をつけて、私に降壇するように言った。


この後は、先生達から今まで通り、魔法使い達が来る前の学校生活に戻ると言った。


生徒会はとりあえずこのままで、委員会が変わる時期に選挙が行われるらしい。


生徒達は不満そうだったが、仕方が無いよね。


今日はこの集会で学校が終わる。


この後、帰ったら早速物件を選ばないといけない。


ダイヤモンドは本当に困った時に取っておこう。


まぁでも、私達ならどんな苦労も乗り越えられるよね。


私はいつの間にか隣に来ていた歩に笑顔で言った。



「ずっと愛し続けるので覚悟してくださいね?歩」



「上等だよ、楓」



そう言って歩は私の唇に甘いキスをした。



〜Fin〜