はじめて君にあったのは

熱気のこもる体育館だった。

それは、高校に入学してからすぐの出来事。



華麗にドリブルをし、

綺麗なフォームでシュートを決める。

その姿に、惚れっぽいあたしはすぐに虜になった。



「かっこいいー」


思わず声に出てしまう。

すると……


「えーどこどこ?イケメンどこ?」



興奮した面持ちで

これまたイケメン好きの親友、明衣が叫ぶ。


「ほら、あの人ー」


「……え、微妙」



いつもこのパターン。

あたし、海上怜榎と水沢明衣の趣味は

まったくと言っていいほど違う。

これは中学の時から変わらない事。

これからも、ずっとそうだと思ってたよ?

あたしたちの趣味は違うはずだったのに……。


「そんなことありませーん。明衣の目がおかしんじゃない?」


「あんたの脳みそのほうがよっぽどおかしいよ」



そう言って笑いあった。

楽しかったよね

このころは………。