「神崎さんって
前も秘書の仕事をしていたんですかぁ?」
「どうして新藤社長の秘書になったんですかぁ?」
答える間もなく
すぐに別の質問に押される。
「神崎さんって
何歳なんですかぁ?」
「彼氏とかいるんですかぁ?」
更に質問攻撃は続き
秘書に関係ない内容へと
変わっていく。
「えっと…」
この人達にどんな返答をしても
果たして本当に
その答えに興味はあるのか
疑問に思う。
“好奇心”なのか
“興味本位”なのか…と。
案外
その答えはすぐにわかった。
「神崎さん知ってました?
社長の前秘書の事」
「え?」
「才色兼備の持ち主で
男性達からはマドンナ的存在だったし
女性からは憧れの人だったんですよ」
「まわりからもすごく好かれていて
特に優しいところは
みんな大好きだったんですよ」
『もしかして
アタシと比べてその人を褒め
遠回しに“お前とは違う”と
言いたかったのか』と
考えすぎてしまう。
まぁそれは本当だったとしても
所詮、そんなモンだ。
そして同時に
気分は良くない。
それでもコレは仕事。
「素敵な方だったんですね」
当たり障りのない
簡単な返事で済ませ
ビールを一気飲み。
もう
完全にヤケ酒だ。


