「いや、それは非常にマズイ。
一刻も早く見つけないと野宿生活になる。
それぐらい切羽詰まってるんだよ…
ニートはカンベン」
ビールを飲み干し
次のアルコールをオーダーすると
求人雑誌を眺めながら
気を取り直して仕事探しに専念。
そんな中…
「あ、新藤さん
今日は来るの早いですね」
ギンが誰かに話し掛けている声が聞こえてきた。
誰と話しているのかと
頭を上げ
その方向に視線を移すと
3つ先に座っていたのは
合コンで会った社長“新藤ナツメ”だった。
「あれ…あの男
どっかで見たような…」
しかしヒメは
ナツメを見ても
すぐに思い出さなかった。
それほど印象に残っていないらしい。
しばらく考えていると…
「あ。」
思い出したらしい。
ヒメの声に
ナツメとギンが反応し
ヒメに注目。
「この前は…どうも」
なんとなくでしか残っていない記憶を
必死に呼び覚まし
ヒメがようやく発した言葉は、軽い挨拶のみ。
「あー…
どうも」
ナツメもなんとなく思い出したらしく
ヒメ同様、軽い挨拶で返した。


