「やめて。
 気持ち悪すぎ…
アタシに関わらないでッ」



否定的な言葉を浴びせると
突然、男の顔色が変わった。




「なんでそんな事を言うんだい?
 ただボクはキミを知りたいだけなんだよ」


「それが気持ち悪いんだよ。
 そんな歪んだ愛情
 本当に迷惑。
 得体の知れない男に
 なんでそんな事されないといけないワケ?
 そんな暇があったら
 もっとまともな事を考えたら?
 恐ろしいぐらいに
頭がイカれてる」



ヒメもやめておけば良かったのに
1度発してしまった本音を
止める事は出来ず
言いたい事を
すべて吐き出してしまった。



強めの口調で声を荒げると
その勢いでか
男は下を向き
ひどく落ち込んでしまった。


一目惚れ相手に
思ってもみなかった事を
激しく言われたからだろう。



(やばッ
 言い過ぎたかな…)



若干“まずいな”と
後悔もしたが
ココまで言わないと
わかってもらえないと思った。




「神崎さん…ひどい。
 あんまりだ…」


「とにかく
 二度とこんな事しないでください」



最後は少しだけ
抑え気味に注意したが
男は下を向いたまま
ゆっくりと立ち上がった。