恋をする、その先に…


「わかった。
 ありがとう、泊まらせてくれて。
 社長にとったらリスクがある行動なのに
 助けてもらってホッとした」



まだきちんと礼を言ってなかったので
頭を下げたヒメ。
その思いがけない行動に
ナツメは一瞬驚いた。



「気にすんな。
 秘書に何かあれば守るのは当然。
 社長の役目だからな。
 これぐらいならなんともねぇよ。
 それよりも
 1人で抱え込まれるほうが困る」



ナツメの社長としての優しさを感じ
そんな上司に嬉しく思えた。



ナツメとシキがいなくなった部屋は
ガランとしていて
1人でいるには
あまりに広すぎる。


シャワーを借り
洗濯を済ませ乾燥機に入れると
ソファへと横になる。



「こんな高級マンション
 かなり家賃高いよなぁ。
 どうして社長は
 そこまでしてくれるんだろ」



いくら社長とは言え
なぜマンション代まで工面するのか
疑問にも思えたが
今のアパートを1日も早く
出たいとは思っていた。



「さすがに家賃までは甘えられない。
 早く引っ越し先を探そ」



天井を見つめながら
1人決意を新たに
ソファでそのまま眠りに就いた。