「じゃあ
 アタシが何か作るよ」



この状況で
まさかのヒメの爆弾提案。



「ヒメちゃんの手料理!?
 ラッキー!」


「はぁ?神崎、何言ってんだ。
 状況わかってんのか?」



あからさまに怒っているナツメの様子は
もちろん理解していた。



「具合は平気。
 もう眩暈もないから大丈夫。
 それより1人でいるより落ち着くし
 何かしているほうが気が楽。
 だから副社長の意見も
 悪くないと思っているよ。
 そんなに気を使わなくていいよ」



あくまで冷静に考えた上での発言に
ナツメも渋々首を縦に振るしかなかった。




結局
なんだかなんだで始まった夜会。

ナツメも参加する事に。



「接点がほとんどないの!?」



さっきまで話していたストーカーの続きを
ヒメから詳しく聞いたシキは
想像以上の内容だったらしく
飲んでいる酒の手が止まってしまった。



「引っ越してきてすぐに
ほとんど話した事もないのに
ストーカーって…
陰気な野郎によくある
悪質さだね」


「まさか自分が巻き込まれるなんて
 思ってもみなかったから
 本当、驚いた」


「けれど、まだ変な事されてなかっただけ
 セーフだったね」



セーフと言えばセーフだが
ストーカーがいる時点で
アウトだと思うが。