裏口までもが高度セキュリティには
ヒメは唖然。
会社と同じくらいの上階までエレベーターで進み
着いた先は高級ホテルのような部屋。
ナツメの部屋の外で待つ
黒いスーツにサングラスのSP2人に
事情を説明し
室内へと通された。
15畳くらいだろうか
洋室が4部屋。
リビングは20畳以上はある。
右を見ても
左を見ても
ただただ広い。
どこからでも出られるバルコニーまで完備。
…にも関わらず
生活感がまるでない殺風景すぎる室内に
本当に住んでいるのか
疑問に思うほど。
「あいかわらずナツメの部屋
人の気配ゼロだねぇ」
ヒメ同様
シキも同じ事を思っているらしい。
弟が言うのだから
まさにその通りなんだろう。
「ほとんど会社にいるほうが多くて
ココにいる時間は少ないからな。
だから好きに使え」
…とは言われても
さすがにベッドは使うワケにはいかないと思い
リビングにある
巨大ソファが目に留まり
そこで寝ようと考えていた。
「とりあえず神崎は今日はゆっくり休みな。
俺はシキの部屋に泊まる」
「は?なんで俺の部屋!?」
シキの問いを完全無視したナツメは
話を続けた。


