「さっきのストーカーってどうしたの?
ヒメちゃんに何が起きてんの?」
「ココ数週間の間
隣人からストーカーに遭ってんだ。
証拠も残さない陰湿なやり方で」
「え、そうなの!?」
ヒメの代わりにナツメが主旨を話すと
すかさずシキは反応。
“ストーカー”と改めて認識すると
危険度が増した事を実感。
「でも、どうして隣人だってわかったの?」
「最近隣に引っ越してきた人に
会社まであとをつけられたんだよ。
先日、その姿を見ちゃったから」
今度はヒメの口から
接点を説明。
「何その恐ろしい出来事…
かなり危ないじゃん!
他には何かされたの!?」
「他は特に…」
直接何かをされたワケではないので
ストーカーだなんて考えすぎだし
大騒ぎしすぎと言えばその通りだ。
「手紙やら写真やら送りつけられて
挙句、後を付けられて。
そこまでされれば十分危険だ。
特に相手は隣に住んでいる男なら尚更」
ヒメの心を察したのか
ナツメがフォローしてくれ
『それも十分な犯罪なんだ』と
彼らに話した事に後悔はなかった。
いつの間にか車はマンションの裏に到着し
裏口からナツメの静脈認証の元、中に入った。


