そんな状況にも関わらず…
「何やってんの!?」
ナツメの背中越しから聞こえてきたのは
シキの声。
いつも突然に
良いような
悪いようなタイミングで現れ
『またお前か』と
溜め息が漏れた。
「まさかナツメ
俺に黙ってヒメちゃん襲ってんの!?」
「何言ってんだよ。
ったく。
この状況でそう見えんのか?」
ナツメはヒメを
ゆっくりとソファに寝かせ
彼女と同じ目線に近付くように
膝を床についた。
「立てそうもないか…」
「大丈夫。
すぐ復活すると思う…」
そう言ってヒメは
ほとんど体を動かす事もせず
目を閉じた。
「え、ヒメちゃん!?
何どうしたの!?
すげぇ具合悪そうだけど!」
「うるせぇな。
見たまんま悪いんだよ。
医務室連れていくか」
本人の許可をとり
ヒメを動かそうとしていると。
「ってか、何この写真ッ」
この状況でシキが見つけてしまった
大量の写真と手紙。
「最近、神崎は
ストーカーに付き纏われてんだ」
「は!?ストーカー!?」
「とにかく話はあとだ」
グッタリとしているヒメを抱き抱え
医務室へと連れ出した。


